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印刷したインクが消える!?

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地球温暖化を新しい技術で吹き飛ばせ!!

地球上あらゆるところで始まっている地球温暖化の波。その影響による気候異変がもたらす大洪水や大型の台風など人々の生活にも影響が出ています。地球温暖化の原因になっているのが、すでに知っている方も多いとは思いますが、大気中の二酸化炭素の急上昇とその二酸化炭素を吸収してくれる森林の減少にあると言われています。印刷に絶対欠かせないのが「紙」であり、原料は森林から得る木材資源を使用しています。資源が少なくなった今のご時世に資源循環を意識したさまざまな技術開発が行われ、この危機を回避しようと国々もSDGsへの取り組み等に努力しています。

今や紙のいらない時代になったのかな?

今は誰もがデジタルデバイス(パソコン・タブレット・スマートフォン)を使い、インターネットにより様々な情報が簡単にどこでも手軽に多くの情報を得ることが当たり前の時代になりました。そうした時代が到来することにより、データでの確認が主流となり「紙」を印刷(プリント)する機会が減り、「紙」を扱うメーカーは大変になるといわれていましたが、実際は、個人個人でプリンターを所有しており、なにかとプリントアウトして「紙」を消費しているのが現実です。ペーパーレスになるにはまだまだ先の話になりそうです。コロナ禍により自宅にいることが多くなったこの頃なので更にプリントして書類などを見たりする機会が増えて、紙の消費が止まりません。当然プリントしたものがいらなくなったらゴミ箱行きになり資源の無駄遣いが続くことになります。この無駄を何とかできないものか思うが、どうしようもないのが実態です。紙から文字をスッと消せたら今の「紙」の消費時代は変わるのかな〜?

「消えるインク」の技術って凄い!!

そこで登場したのが、あるメーカーが開発した「消えるインク」です。インクの色素と発色剤のほかに消色剤を添加した特殊なインクです。消色剤には色素と発色剤のどちらか一方を優先的に溶かしてしまう性質を有したものを使うという素晴らしい技術を使った「消去可能インク=消えるインク」と「消えるインクを使えるプリンター」です。この技術で文章などを消去した場合には、同じ紙で約10回は繰り返し使えるそうです。また、摂氏120度程度に熱すれば、インクの色が消えるので、古紙再生・脱色が簡単にでき、再生コストもダウンさせることができるといいます。これは、パルプ輸入国の日本においては大幅なコスト削減につながります。一度印刷した紙の再利用ができれば、無駄にしていた紙の活用も図れ、能率も上がると言えます。大変すばらしいことです。このインクの色素は、有色と無色を切り替えられるロイコ染料などの呈色性化合物で感熱紙などに使われているそうです。また、発色剤は食品添加物として使われている「没食子酸プロピル※」で、消色剤は胆汁の成分である「コール酸」などのステロール化合物だそうで、何だか、安全なもののような感じがします。消すには加熱すれば良く、サーマルローラーを使う事で消去出来るそうです。インクはインクジェットプリンタのインクとして使えるそうで、明細書の中には、大手メーカーのプリンターを使った実験結果が紹介されていました。もちろんマルチカラーの印刷が可能とのことです。インクジェットプリンター用に発売されたら使用したいと思います。※没食子酸プロピルは、食品の酸化防止剤として使用される食品添加物である。

えっ!? 消えるインクって江戸時代にすでにあったの〜!!

なんと消えるインクの技術は江戸時代にすでにあったという驚き事実があります。それは皆さんもすでにご存知の着物を作る工程にあります。白い生地に下絵を書く際に、青花という花を搾って作った青い染料を使います。この染料は水に流すと簡単に消えてしまうという不思議な染料です。この染料を使うことにより下絵は消えさり、鮮やかな着物が出来上がります。江戸時代にこのような染料を発見するとは本当にすごいことです。

なんですと〜 すでに「消えるインク」商品多数あり!!

他社もこうした消せるインクを開発していますが、加熱すると文字が消えるので長く保存しておきたい資料には不向きです。特に履歴書などの書類に使うと書き直しがなくなっていいのではと思うかもしれませんが、熱で文字がすべて消えるという点から長期保存ができないので正式な書類として見てもらえません。終わったらすぐに捨ててしまう訂正紙などには向いているかと思います。擦ると消えるボールペン「フリクションボール」をはじめとして、最近では数多くのメーカーから消せるボールペンが市販されています。その他にも消えるインク商品としては、プリンター用トナー・スタンプ・色えんぴつ・蛍光ペン・シール・墨汁等々数多くの商品が出ています。

人間は地球環境を良くする義務がある!!

この先も人々は「紙」を使いプリントしていくと思われます。しかし「消えるインク」などの技術により時代に合った進化をし、「紙」の使用頻度は確実に減少していくと考えられます。近い将来には「紙」のように使える低価格で軽量の「電子ペーパー」が一般化することにより、さらに販促物等の紙の使用頻度が減ると思われます。(もう一部宣伝用ディスプレイ等で使われているかも?)いろんな意味で人間は地球環境を良くする義務があると思います。この先も素晴らしい技術を生み、その技術を無駄にせず広め、いろいろな問題を「インクのように消して」解決していけたらと望みたいものです。


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